ローゼル(学名: Hibiscus sabdariffa)は、その独特の美しさと栄養価で世界中に知られているアフリカ原産のハイビスカスの一種です。

紅紫色の茎、美しい花、そして特にその肥大したガク片が古代から現代に至るまで、不老長寿の秘薬として、また食用や薬用として広く利用されてきました。この記事では、ローゼルの魅力に迫り、その歴史的背景から現代における利用法までを詳しく探ります。

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ローゼルとは?

ローゼルは、熱帯から亜熱帯にかけて栽培されるアオイ科フヨウ属の植物で、特徴的な紅紫色の茎と掌状に切れ込みのある葉、薄ピンクから白色の花を咲かせるのが特徴です。

しかし、ローゼルを特別な存在にしているのは、食用や薬用にされる、赤色に肥大したガク片です。このガク片は、酸味とフルーティーな風味を持ち、世界中で多種多様な用途に使われています。

 

ローゼルの歴史と背景

ローゼルの起源はアフリカとされ、古代インドやエジプトでは不老長寿の秘薬として珍重されていました。

エジプトでは、ファラオの墓からもローゼルの種が発見されており、その栄養価と医薬品としての効能が高く評価されていたことがうかがえます。また、インドの伝統医学アーユルヴェーダでもローゼルは重要な薬草として用いられています。

 

沖縄へは明治時代に導入され、家庭菜園での栽培が始まりました。

沖縄では「ハイビスカス・ティー」として親しまれ、特有の酸味とフルーティーな味わいが好まれています。現代では、その栄養価の高さから、世界各地で健康飲料やジャム、ソースなど様々な形で利用されるようになりました。

ローゼルの食べ方は?

ローゼルは、その肥大したガク片を乾燥させたハーブティーや、ジャム、ゼリー、シロップの材料として最も一般的に用いられます。

また、サラダやカレー料理に若葉を加えたり、ガク片を酢漬けにしたりすることもあります。特にローゼルティーは、その美しい赤色と豊富なビタミンC、クエン酸、アントシアニンなどの栄養素により、美肌効果や免疫力向上、疲労回復効果が期待されています。

 

ローゼルの現代における価値

ローゼルは現代においても、その豊富な栄養価と用途の多様性から非常に価値が高い植物とされています。

特に健康志向が高まる中、自然由来の栄養素を多く含むローゼルは、スーパーフードの一つとして注目されています。近年では、ローゼルを利用した健康飲料やスムージー、ビューティー商品などが登場し、世界中でその魅力が再発見されています。

 

ローゼルはどんな味?

ローゼルは、その酸味と僅かな甘さが特徴で、ハーブティーにすると爽やかな味わいが楽しめます。ジャムやゼリーに加工すると、酸味が甘さと調和し、独特の風味を楽しむことができます。

 

ローゼルの切り方

ローゼルの切り方は、主に料理や飲料、保存法によって異なります。

ローゼルは、特にその肥大したガク(萼)が利用価値が高い部分です。以下に、ローゼルの基本的な扱い方と切り方をご紹介します。

ローゼルの準備

  1. 洗浄: ローゼルを丁寧に洗い流します。土や汚れを落とすために、流水で優しくすすぎます。

ローゼルのガクの切り方

  1. ガクの分離: ローゼルの花がしぼんだ後に残る肥大したガクを花底から丁寧に取り外します。手で簡単に分離することができますが、ナイフを使う場合は慎重に行ってください。
  2. ガクの開く: 取り外したガクを半開きにして、内部の種や芯を露出させます。これにより、内部がきれいに見え、後の処理がしやすくなります。
  3. 種の除去: ガクの内部にある種を取り除きます。種は食用には適していませんので、注意深く取り除いてください。小さなスプーンやナイフの先端を使うと便利です。

その他の加工方法

  • 乾燥: ローゼルのガクを乾燥させる場合は、種を取り除いた後、ガクを半分に切る必要はありません。そのまま天日でよく乾燥させます。完全に乾燥させたガクは、ティーやジャム作りに利用できます。
  • ジャムやゼリー用: ジャムやゼリーを作る場合、ガクを小さく切ります。乾燥させずに生のまま、または乾燥させた後に、細かく刻んで使用します。乾燥させたガクを使う場合は、水で戻してから使用すると良いでしょう。

注意点

  • ローゼルを扱う際は、色素が強いため、手や衣服を汚さないように注意してください。作業する際はエプロンを着用し、必要に応じて手袋を使用すると良いでしょう。
  • ローゼルは酸味が特徴的ですが、加工方法によってはその酸味を生かしたり、甘みを加えたりして、様々な味わいを楽しむことができます。

ローゼルは、その美しい赤色と酸味で、飲料や料理にユニークな風味を加えることができます。適切な扱い方と切り方をマスターすることで、ローゼルの魅力を最大限に引き出しましょう。

 

沖縄での収穫時期(旬)と購入時期は?

沖縄では、ローゼルの種を5月頃に蒔き、10月中旬から12月中旬にかけて実を収穫します。この時期が旬で、最も新鮮で栄養価の高いローゼルを味わうことができます。

選び方と保存方法

新鮮なローゼルは、鮮やかな紅紫色をしており、しっかりと肉厚です。乾燥させたローゼルは、湿気を避けて冷暗所に保存しましょう。塩水に浸けるなどして虫の発生を防ぐことも重要です。

 

まとめ

ローゼルは、その美しさだけでなく、豊富な栄養価と多様な利用方法で、世界中で愛されています。沖縄の伝統的な食文化の一部として、また、健康と美容を支える貴重な資源として、ローゼルの魅力をぜひ体験してみてください。

 

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